馬場を読むスキルの重要性
馬場の状況を読めるようになると、ペース・展開が読めるようになる。ペースは実際に蓋を開けてみないと分からないという考えが根付いているが、馬場読みのスキルを得れば済し崩し的にペースも読めるようになる。しかしこれが実に経験値を要する行程を経る必要がある。馬場状態は季節は当然、天気や当日の消耗具合によって常に変化し続けているからだ。
更に、意図的にJRAの手が加えられている場合もある。馬の安全を優先して造園課が水をまくこの行為が、ダートで速い時計を出す結果をもたらす。どれぐらいの量の水をまいたのかを明らかにしていない為、馬券購入者側としては不確定要素をまた一つ多く抱え込む事になる。
馬場はそのように、馬と同等に重視すべき要素だ。しかし、意外と軽視されがちなのも事実。馬場変化を一切考慮に入れずに予想をしている人は、半分近くの予想項目を自らブラインドしているに等しく、勿体無い話だ。明確に数値として公開されていないスキルは、経験値の差が露骨に回収率に反映される。裏を返せば、馬場読みが出来る人はこっそり他人よりも有利な状況で勝負をしている事になる。競馬新聞やJRA-VANのデータに浮上しない、数値化されていない要素を予想に加味して追及してこそ、高回収率に繋げられる。
馬場読みを表現するには、職人技という言い回しが最も似つかわしいか。降雨によって芝荒れが分かる人と、一切分かってない人では差は歴然だろう。外枠が有利になっていると馬場だけで分かる時もある。穴馬を見出し的中に持ち込める選択も生まれる。馬場読みは、凡その見当を付けるだけでも劇的にペース予想に反映させられるスキルなので、日々意識して習得を試みるのがいいだろう。
ただし、このスキルには当然デメリットもある。
馬場を読む行為は予想としては初期段階で行われるので、そこで誤った展開を思い描いてしまっては、ゴールである着地点も明後日に向かってしまう。馬場読みをしたが為に、レース開幕の瞬間敗北が決定する事もある。
大多数が知り得ない場所に逸早く辿り着く時の快感は得も言われない。しかし、馬場を読む行為には常にリスクが付きまとうというのも、心に留めておくのがいいだろう。せっかく時間と経験を費やして獲得したスキルも、安易に連投すれば精度を落とす。安定した方法を確立した上で、中級者が上級者を目指す際のステップアップとして狙うスキルと考えておこう。